「フランク・デ・ブール二世」とも「スタムの後継者」とも言われる。足元の柔軟なDFの多いオランダの中でも際立つ正確なフィードを持つ。戦術的、組織的な動きが必要とされるオランダサッカーの名門アヤックスのユースで育ったことから、本職のセンターバックのみならず両サイドバックからセンターハーフまでこなせる戦術的柔軟性を持つ非常に器用な選手である。上背はそれほどではないがフィジカル・スピード共に標準レベルをクリアしており、マーキング、カバーリング、空中戦でも大きな欠点が見られない。
一方で、非常に使い勝手の良い選手ではあるが、器用貧乏な印象は否めずフランク・デ・ブールやスタムといった大先輩ほどのインパクトは残せていない。
アヤックスのユースを経て2001年8月、17歳の時に対フェイエノールト戦でデビューを果たす。正確なフィードとカバーリングといった彼のプレイスタイルはこの頃から確立されており、トップチームでの出場の機会を増やしていく（2001-2002シーズンは15試合に出場）が、ひざを故障するなどキャリアの存続に関わる大怪我を繰り返し、2002-2003シーズンはわずか1試合のみの出場にとどまる。
オランダ代表でのハイティンハしかし度重なる故障にも絶望せず、2003-2004シーズンに復帰後はチームの不動のセンターバックとしてリーグ戦26試合に出場し3ゴールをマーク、チームのリーグ優勝に貢献する。2004年の2月には対アメリカ戦でオランダ代表としてのデビューを果たし、EURO2004にもエントリーされ本戦でも3試合に出場する飛躍のシーズンとなった。
2004-2005シーズン、2005-2006シーズンも引き続きアヤックスでプレーを続けるものの、チームが、エースストライカー・ズラタン・イブラヒモビッチのセリエA・ユヴェントスへの移籍をきっかけに競争力を落とす一方、PSVアイントホーフェンが名将・フース・ヒディンクの采配で力をつけ、ラファエル・ファン・デル・ファールトやヴェスレイ・スナイデル、ヘドヴィヘス・マドゥロといった若いメンバーはハイティンハも含め地元サポーターやメディアからのプレッシャーを力に変えることができず、2004-2005シーズンは2位、2005-2006シーズンは4位に終わり、自身もそれぞれ26試合出場1ゴール、19試合出場1ゴールに終わる。
それでも2006 FIFAワールドカップにはマルコ・ファン・バステン監督からプレイヤーとしてのユーティリティー性を買われてメンバー入りし、試合にも出場、ベスト16を経験した。
2006-2007シーズンはチームにオランダ代表DFの大先輩であるヤープ・スタムが加わり、偉大な先輩のプレーを間近に見ながら、時にセンターバックでスタムのパートナーとして、時にサイドバックや4-3-3システムの1ボランチとして自身最多の36試合に出場し6ゴールの活躍、チームはリーグ2位になるものの最終戦の最後の瞬間まで1-3位が確定しないという激動のシーズンを経験した。
2007-2008シーズン、シーズン前にスナイデルがレアル・マドリードに移籍、10月にはスタムが引退、ヘドヴィヘス・マドゥロが冬にバレンシアCFに移籍する中、自身は残留し4年ぶりのリーグ優勝を目指している。
2008年夏、移籍金1000万ユーロでスペインのアトレティコ・マドリードに移籍した。契約は5年であった。
2009年8月30日、移籍金約500万ポンドでエヴァートンFCに移籍した。エヴァートンFCは直前にマンチェスター・シティFCに移籍したジョレオン・レスコットの代役を探していた。
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