冷静さと抜群の安定感でチームを支える痩身の守護神。ボールを足で扱う技術が高く、左右どちらの足でも安定したキックが出来る。それゆえあまり距離のない所からでも味方選手は信頼して強いバックパスを出す事がある。ファン・デル・サールの台頭と、バックパスに対する手を用いた対応が禁止されたのが同時期だったことから、時代の象徴となる新タイプのGK（11人目のフィールドプレーヤーのような認識）として評価が一気に高まった。 長い手足と反射神経を生かした守備範囲の広さもさることながら、長年の経験で培われたポジショニングや読みの鋭さも侮れない。また前線へのフィードは、ボールを持ってからの速さ、フィード先の判断、コントロールともに優れており、カウンター時の攻撃への貢献も大きい。セービング技術も非常に高いレベルにある。GKとしての足元の技術は世界一と評価する者もいる。
アヤックス〜ユヴェントス在籍時には上背のわりにはハイボールの処理に若干の不安を見せたり、PKに対する弱さも見せた。しかしその後はそういった弱点も克服。マンチェスター・ユナイテッドでのパフォーマンスはキャリア最高とも言われ、改めて世界屈指のGKであることを証明している。
オランダの名門チーム、アヤックス・アムステルダムでキャリアをスタート。程なくして頭角を現した彼は、1994-95シーズンのチャンピオンズリーグで優勝を経験する。既に優秀なGKとしての評価が確立され始めた頃に成し遂げたビッグタイトルの獲得は彼を一躍移籍市場の主役に押し上げ、1999年についに移籍を決断。イタリアの名門、ユヴェントスに移籍することとなった。
ユヴェントスでは初のイタリア人以外の正ゴールキーパーとなったが、不調で本来の実力を発揮できずにイージーミスを連発してしまった事や、イタリア代表GKブッフォンの加入によりポジション確保が危うくなった事から、プレミアリーグのフラムに移籍。その後2003-04シーズンで素晴らしいパフォーマンスを発揮、欧州屈指のGKとの呼び声を再び手中にした。
2005-06シーズンからはマンチェスター・ユナイテッドへ移籍。不動の正GKとしてゴールマウスの最後の番人を勤め上げている。ちなみに、マンチェスター・ユナイテッドのキーパーユニフォームは緑のため、「緑の巨人」という新しい愛称も付いた。2008シーズンでの引退もうわさされたが2010年まで契約を延長した。
マルコ・ファン・バステンがオランダ代表監督に就任してからは、高年齢からか、親善試合は辞退していた。 2007-08シーズン、UEFAチャンピオンズリーグ
ファイナルでチェルシーと対戦。試合は90分で決着がつかずPK戦にもつれ込みチェルシーの7人目ニコラ・アネルカのPKをセーブしマンチェスター・ユナイテッドを9シーズンぶり、3回目の優勝へ導いた。
EURO2008を最後に代表引退したが、マールテン・ステケレンブルフのけがもあって、監督の要請で、2010 FIFAワールドカップ予選にも2試合出場した。
2008-2009シーズンにウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC戦で完封勝利を収め、チェルシーのペトル・チェフが保持していた1025分間というプレミアリーグの無失点記録を打ち破った。その後のウェストハム・ユナイテッドFC戦で完封をはたし、イギリス全土での無失点記録を樹立した。
2011年1月27日、シーズン限りで現役を引退する意向を表明。その理由を「そろそろ家族のことを考えたい」とコメントしている。
少年時代はFWだったこともあり「引退後はアマチュアのクラブでFWをやりたい。今でも1番楽しいのはゴールを決めることだからね。」と語っている。
2011年5月 現役を引退し、マンチェスター・ユナイテッドFCを去った。
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